【イベントレポート】第2回木頭ゆずフェス 2015.10.30-11.1 その3

1日目
2日目

3日目、最終日の朝です。

今日もサトケンのおまかせ呼吸からスタート。
樹齢400年超と言われるご神木が祀られた和無田八幡神社で
凛とした朝の空気をいっぱいに吸い込みます。

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ここの神社は、今日がお祭りの日。
本殿には提灯が飾られて、いつもより厳かな雰囲気です。

お祭りも1日ずつ、川下へと下るように移動していくのですって。
収穫も、きっと冬も、山から順繰りにやってくるんだね。

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朝食の後は、太布庵へ。
阿波太布製造技法保存伝承会長の
大沢さんにお話を伺います。
木頭図書館長を兼任されているだけあって、とっても博学!
古語で「太布」は「木綿(ゆう)」と言われていたそうです。
あの有名な和歌に謳われていたのも太布だったなんて・・・!

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収穫でお忙しい中、保存会メンバーの方が実演、手ほどきをしてくださいました。
楮の木の繊維を細く裂いて、丁寧に撚っていきます。

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簡単そうに見えるんだけど、やってみるとは大違い!
美しく仕上げるのは、なかなかに難しいものなのね。。。

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1日目に紙漉き体験した和紙とこの太布、実は原料は同じ楮。
繊維の長いものは太布に、短くなったものは和紙に、と
今も原料のやり取りをしているんだそうです。なるほど~

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撚った糸はからまないように、それぞれのかごに一旦まとめます。
これが7000m、1反分たまったら、何回かに分けて糸をかけて、
織り始めるのはそれから。

糸にほつれや毛羽立ちがあると、糸が切れたり織る時にひっかかったりするので
とにかくこの撚る過程、「糸績み」が重要なのだそう。
「誰が績んだか、糸見ればだいたいわかりますよ~」だって!

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ちなみに、この1反を織るのに、今は3-4人がかりで1年かかるそうですが、
昔は木頭から年間数千反を出していたそう。

歴史と技術革新の荒波にもまれながらも、
今に至るまで技術をつないでくださった方々、
費やしてきた時間と想いに、頭が下がります。

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太布庵を出て、役場の横道から河原へ下りてみます。
11月になったばかりだけど、水はもう冷たい!思わず肩が上がります。

楮を寒ざらしにする1月はどんな冷たさなのか・・・
厳しい寒さが強い繊維を育てるのですね。
今季の楮蒸し(かじむし)は2016年1月12日に行われるそうです!

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川から上がったら、もうお昼ごはんの時間。
今日のシェフは、元阿波観光ホテルの料理長も務めた
木頭出身の平川さん、通称コウちゃんが
ずらっと並ぶ刺身包丁抱えて、助っ人に来てくださいました!

実は「平家落人伝説」でも名高い木頭。
こんなに山奥で平地がないのに、なぜか「平」のつく苗字が多いのです。。。

柚子の果汁で作った太巻き寿司といなり寿司、美味しかった~
コウちゃん、ありがとう!

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出発前に、ゆう兄さんちでご挨拶。
お友達にお願いして、野生のクロモジの枝を片道1時間かけて取ってきてくださったとのこと。
そしてお土産にとサトイモ入りのゆう兄さん特製のかきまぜを包んでくださいました!
サトイモを入れたかきまぜ、手がかかるし、難しいんだよね・・・
お心遣い、ありがたく頂戴します! ありがとうございました!

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最後に向かうは木頭の奥座敷、北川地区。
山師の知恵の宝庫、おららの炭小屋に向かいます。

「おらら」とは「俺たちの」という意味。
木頭Iターンの草分け的存在の玄番隆行さんにお話を伺います。

木頭の雑木を炭焼きにしますが、今回は「山で生きる知恵」の一環として、
竹で箸を作らせていただきました。

HPより~
火を消すのに水は必要なものですが、周囲にいつもあるとは限りません。
山作(焼き畑)や炭焼きを経験してきた「じいやばあ」たちは、消火の本質
(実に科学的です!)を踏まえて当たり前にやってのけてきました。
その知恵から学びたいと思います。
また、ホームセンターでなんでも手に入る「便利」な暮らしは、ある意味不便です。
山から伐って来た丸太材で、耐久性のある自在に必要サイズの資材を準備する方法を体験してみます。

 

さて、やってみましょう!
まず竹をのこぎりでお好みの長さに切ります。
短くなった丸竹をなたで割って、ジャッキにはさみ、
バーナーであぶりながらねじって・・・

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ひたすら削る!削る!

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シンプルな作業ながら、奥深い。みんな黙々と手を動かします。

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今日は大学3年生のKくんも応援に来てくれました。
春にインターンとして木頭に来ていたKくん、
「秋兄に柚子の時期にまた来いって言われてて・・・
昨晩ですか?ごはんごちそうになって、
そりゃもちろん、飲まされましたよ~」と言いながら、満面のニコニコ顔。

こんなに爽やかで頼もしい若者がまた来てくれたら、嬉しいでしょうね。
秋兄さんにもさぞおいしいお酒だったことでしょう。。。

 

偶然だけど、どことなく、似てるお二人。
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山の暮らしは、必要なものは何でも自分で作る。これが基本。

材料は山にあるものを何でも使います。
今でも山師は一度山に入ると数日は家に帰れません。
「1週間やそこら山にいたって、わしら全く困らんぞ」と笑う、熟練のじいたち。

話しながら、積んである木っ端を手で割って、火にくべていきます。
その使いこんだ手の、木の扱いの美しいこと。
余計な動き、力が何一つない。

ああ、この人の生きてきた軌跡を知りたいと
炭小屋の主、大城慶太郎さんに惚れ込んで、
木頭での地域おこし協力隊を決めたという旬くんの気持ちが
ちょっとだけ、わかったような気がしました。
そちらが風下ですね、旬くん。。。

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これは、錆びた滑車・・・?
じいたちの人生の軌跡と重なって、見るものすべてがフォトジェニック。

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遠くから鳥のさえずり。
ふと目を上げれば、緑、黄、赤・・・・ そしてラベンダー。

「空の美しさにかなうアートなんてあるのだろうか」と言ったのは
たしか、オノ・ヨーコ。 

空だけじゃない、
地だけじゃない、
きっと、ここだけじゃない。

ただ、気がつけばいいんだ。

 

自分の軸のチューニングには
こんな時間が、一番効きそうな気がする。

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移り行く日差しをコエグロが静かに見守ります。
剣山系の豊かな土壌に育ったカヤ(ススキ)を束ねて発酵させた、天然の肥料です。

天と地の恵みが循環する
人にも土地にも優しい
先人たちの英知が詰まった
ここで生きていく、心意気のシンボル。

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いろいろな話をして

いろいろな景色を感じて

いろいろなイラナイモノを置いて

少しだけ呼吸が深い自分を見つけた2泊3日。
はじめまして、の方同士でも

とても親密で濃密な時間を過ごせるのは

木頭の「地の引力」に呼応して

素敵な方々に 来ていただけるから、なのかもしれません。

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ご一緒いただきました皆様、ありがとうございました!

ゆず香る木頭で、またお会いいたしましょう!!

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