木頭夏フェス 1日目の模様は こちら
2日目:8月2日(日)
夜の雨が空気を洗って、きれいな朝焼け。今日も暑くなりそうです。
朝はサトケン企画の真骨頂「おまかせ呼吸」。
広島から一本乗りの撮影に来たというマダムもお誘いしてサトケンのリードで涼しい朝の空気をいっぱいに吸い込みます。
樹齢700年を超える3本の門杉にもたれて、瞑想タイム。しっとりと冷たい、山の朝の空気。小鳥のさえずり。この木はこんな朝をどれだけ過ごしてきたんだろうな。。。
そういえば昨晩ゆうにいさんが歌ってくれた「木頭おどり」って、どんなステップ? 木頭で生まれ育ったスタッフTによるレッスンタイム!ドヤ顔で教えてるわりに、毎回リズムが違うんじゃない~?
帰り道も歩きながらステップの練習☆
午前中は太布庵(たふあん)へ。国内で唯一、木頭だけに現存する古代の織物【太布織 たふおり】を見学、体験させていただきます。
阿波太布製造技法保存伝承会会長の大沢さん。木頭図書館長でもあり、研究熱心で博学な方で太布にまつわるいろいろなことを教えていただきました。
太布は楮(コウゾ)の木の皮を加工し、糸に績(う)んで編み上げた古代の布のこと。荒妙(あらたえ)として奈良時代の文献や天皇家にも奉納した記述が残っている、古くから日本人の生活に欠かせない布でした。製糸技術の発達とともに、他の地方では新しい技術に移り変わっていき現在日本でこの古代の技法で太布を作っているのは木頭だけだそうです。
その希少性を現代に繋いでくれた立役者のおひとり、名人の故 ヲチヨさん。作品が保存会で大切に保管されています。お人柄が偲ばれる、繊細で、柔らかな太布でした。
太布庵の裏庭に生えている楮、樹齢1年くらいの樹を冬の大寒の時期に切ると一番丈夫な繊維が取れるのだそう。昔は布と同じく、紙も貴重な品物だったため、楮の葉を紙の代わりに使っていたとか。
太布織の工程のうち、実に9割が糸を作る作業、「糸績(う)み」と言います。木の根っこと枝の方向を変えずに、裂いて撚り合わせて糸をつないでいくんだって。
績んだ糸は、糸車を通して撚りをかけていきます。乾いた楮の繊維で指が切れてしまうので、糸を濡らして作業をしますが、高く上げた手から水がしたたり落ちるので、ビニールシートを引いています。寒い時季には、これもつらい作業かもしれません。もう1回、大きな糸車にかけて、乾かして。7000m分の糸でようやく1反分。。。
年間2000反を作っていた最盛期、「太布を織れない娘は嫁入りできない」と言われたくらい、皆で太布を織っていた時代もあったそうですが、今は保存会メンバー10人で、1年かけて3反を作るのがやっとだそう。織り機も太布独特のもので、メーカーでも製造していない、大変貴重なものです。織物の工程のうち、織る作業は、実はごくごく一部分。
「糸ができてなければ、織り作業もお見せできるかどうか・・・」というお話でしたが、保存会のみなさんの当日に至るまでのご協力で、貴重な織作業まで体験をさせていただきました。ありがとうございました!
太布庵の裏手から川べりに出ると、木頭杉一本乗りの大会真っ最中!出店のテントも出て賑やかです。川ではテレビ局のカメラも水に入って取材中!一本乗り名物のカッパちゃんの姿もありますね。
川の両岸には一本乗り名人たちがスタンバイ中。ゆう兄さんも川下にいましたよ!プログラムの合間に、一本乗りしてもらっちゃいました。上流に向かって逆流したり、方向転換も自由自在です。お見事~!!
会場出口で古民家カフェ「くるく」の出店を発見!去年の柚子フェスでご協力いただいた榊野さんから冷たい差し入れをいただきました!生き返る~!!写真の掛け声はもちろん「ゆずゼリー!」
昼食はケンズギャラリーにて、木頭ゆずの果汁で作ったハマチのお寿司。ファンが急増中の、木頭での定番おもてなし料理です。柚子の香りがぱぁっと口の中に広がります。
2階にはフォトギャラリーがあります。故 中野建吉氏が30年以上にわたって撮り続けた木頭での普段の人々の生活が展示されています。一本乗りの写真もありました!
ここから空港へはケンズギャラリーの中野みね子さんの車でご案内いただきます。最後に木頭の一番奥、北川地区の「おららの炭小屋」へ立ち寄ります。
説明してくださるのはIターンで北川に移り住んで早18年の玄番隆行さん。林業が盛んな木頭では炭焼きも主幹産業の一つでした。炭にもいろいろな種類、燃え方、使い方、があるんですね、知らなかった・・・
「あなたにとって生活に絶対に必要なもの3つとは?」 ・・・スマホ、バッテリー、お金? じゃないよね。。。
山の生活では、必要なものは何でも「自分で作る」が基本。農作業に必要な道具も1本の木から切り出して作ります。「こういうちょっとした道具って、欲しくてもホームセンターには売ってないでしょ?」 そうか、だから「自分で作る」んだね。それにとっても使いやすそう!
何人も入れる炭焼きの窯も、それを覆う小屋も、もちろん手作り。杉皮葺きの屋根に苔や草が生えて、思わず見とれてしまう、豊かな、ひとつの生態系。趣きのある空間が広がります。
そのパイプの先からは、貴重な木酢液もたーっぷり取れます。
地域おこし協力隊の細貝旬くんは、この炭小屋の長老・大城さんに惚れ込んで、木頭に住むことを決めたのだと聞きました。きっとその大きな決断も、ここの囲炉裏の火や屋根の苔たちが見守っていたんだね。
これから新しい炭小屋を建てるとのことで、心ばかりのお手伝い。地面を木槌で叩いて、天井部分の「地固め」。一体どんなふうに出来ていくのかな?完成する頃、大城さんに会いに、また来よう。
「昔」の人たちが生活の中で育んできた知恵を、
「今」を生きる私たちが、体をもって五感で味わうこと
それが一緒に愉しめる、木頭の夏です。
木頭の名産、柚子はまだ青く小さいですが、
夏の日差しと大きな雨、朝晩の気温差に育まれて
これから大きく酸っぱく、爽やかに育っていくことでしょう。
今年も柚子が黄色く色づくころ、また木頭で、お待ちしております。
みなさま、ご参加ありがとうございました!
次回予告!
2015年10月30日(金)~11月1日(日)
第2回 木頭ゆずフェス
木頭ゆず もぎ放題!
サトケンの柚子づくし料理!
産土神社で収穫祭!
伝統の和紙漉き体験!
夜は大宴会!?
詳細は近日公開!お楽しみに!!